2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

自由への道のり

自由への道のり 栗駒山お彼岸の入り日 昨日3月22日村上龍「コインロッカーベイビーズ」(1980)肉体を振り切るためにバイクで疾走する浅田彰「逃走論」(1986)システムからの軽々とした逃避行村上龍「TOKYO DECADANCE」(1991)社会的な信用など何も期待で…

春の音

音で知る季節 内沼 昨朝3月20日 朝。日の出ももう5時40分近くまで早くなってきた 殆ど人の少なくなった水辺に立つと,意外とまだ数百のマガンが飛立って朝焼けの空を遠のいていく 夜の先程も南中近くのオリオン座を横切り,昴をかすめるようにハクチョウの一…

穂村弘「おろおろ」『シンジケート』

穂村弘「おろおろシンジケート」 穂村弘のデビュー作「シンジケート」(1990)を読んだ「おろおろ」が面白かった確かに濃いカルピスは喉につかえる咳払いすると繊維状になった「おろおろ」が出てくる主人公は「おろおろ」を知っている女だからこそ付き合うこ…

近松世話物-女殺油地獄などに見える神仏観-

皆さんは,近松門左衛門の作品ではどれが好きですか。今回読み直してみて,私は「女殺油地獄」のリアルさに心震えました。以前はただ冗長と感じたものでしたが,よく味わって読むと「女殺油地獄」は実に傑出した作品だと思いました。今回はそのストーリーよ…

夜の写真闇の文学-串田孫一-

『自然との対話のための記録』-串田孫一のことば その3- 14分の栗駒山での星の記録(オリオンから左下の金星の出まで)題名の「自然との対話のための記録」は串田孫一のエッセイの題名です。昨日の記事で,私は彼は1978年の覚書(『Eの糸切れたり』所収)…

串田孫一-夜の写真闇の文学-

からまつのはやし-詩三編- カラマツの林(栗駒山駒ノ湯上)カラマツの花(栗駒耕英地区)かわいらしい葉(栗駒耕英地区)からまつの詩を3編 からまつ 串田孫一からまつはいま 雪のなかあの秋のこがね色あの春のあの匂い 落葉松 北原白秋三からまつの林の…

3.11に寄せて2-祈り-

3.11に寄せて2-祈り- 3月10日午前4時。漁の船が岬をかすめるように進み始めた静かにシャッターを下ろししばらく海に昇る天の川をみつめるこの時,自分が動いて,大切な祈りの静寂を壊してしまうことを恐れる人がひたすらに祈る姿は美しい今朝12日朝の河北…

3.11に寄せて

3.11に寄せて あの日を忘れない 3月10日撮影 画面水平線上真ん中に金星 写真は海から昇る天の川私にできることと言えば,ちょうど11年前もそうだったように昇ってくる天の川の写真を撮ることだと思って出かけた今日は実に多くの人の命日になる生きている私が…

芥川龍之介のこと7-宮城を訪れる-

芥川龍之介のこと7-宮城を訪れる- 芥川龍之介が宮城県蔵王青根温泉に来ていたということを全集の年譜で調べてみたあった「1920(大正9)年8月1日(日)~28日(土)宮城県青根温泉に避暑のため出掛ける」この時28歳の芥川龍之介は約1か月まるまる青根温泉…

芥川龍之介のこと5-宮城県青根温泉逗留一か月-

芥川龍之介のこと5 さんぽ道春の兆し 枝先に留まる光の量が多くなってきた 今朝2月4日撮影先回は28歳の芥川龍之介が大正9年8月まるまる宮城の青根温泉に避暑に来ていたこと。その青根温泉では「お律と子等」を苦しみながら執筆していたこと。その苦しみは彼…

芥川龍之介のこと6-上海-

芥川龍之介のこと6-上海- 伊豆沼立春夜景 2月4日2019年の大晦日に録画してから観るのを忘れていた芥川龍之介を描いたドラマ『ストレンジャー〜上海の芥川龍之介〜』をやっと観た。芥川龍之介を松田龍平が演じている。渡辺あやの作品である。演出は大河ドラ…

芥川龍之介のこと4-岡本かの子「鶴は病みき」-

芥川龍之介のこと4-岡本かの子「鶴は病みき」- サンピラー立つ 2月8日昨日の朝 蕪栗沼芥川龍之介のことを書き始めての5回目となりました。今日は岡本かの子の「鶴は病みき」からです。事実上の岡本かの子の小説家としてのデビュー作になり、文学界賞をも…